ブログの閲覧ありがとうございます。
「にじりゅう / Nijiryu」です。
今年最後となる今回のブログは「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について取り上げます。
皆さんは、この「北海道・三陸沖後発地震注意情報」をご存知ですか?
災害に対する「知識面での備え」として、平常時に正しく理解していないと、発災時にデマに騙されやすくなります。
知らない方は、必ずこのブログを最後まで読んで、これらの内容を理解しておいてください。
▼目次
そもそも「北海道・三陸沖後発地震注意情報」って何ぞや?
上の画像で示している「想定震源域」またはその周辺でMw7.0以上の地震が発生し、大規模地震の発生確率が相対的に高まっている際に発表されます。
※上の画像の地図は大雑把なものです
発表されたらどうする?
この情報が発表された場合、対象となる地域(*1)では、1週間程度、社会経済活動を維持しつつ、日頃からの備えを見直し、すぐに大津波からの避難ができる体制にしなければなりません。
ちなみに皆さんは、今年8月に発表された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を覚えていますか?
▼忘れてしまった方はこちら!
今解説している「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も、対象地域においてこれと似た防災行動を取るべき、と考えてください。
分かりやすく表にまとめてみます。
発表される情報 | 事前避難 | 避難体制の強化 | 日頃の備え |
南海トラフ(巨大地震警戒) | 1週間 | 2週間(*2) | ずっと |
南海トラフ(巨大地震注意) | ― | 1週間 | ずっと |
南海トラフ(調査終了) | ― | ― | ずっと |
北海道・三陸沖 | ― | 1週間 | ずっと |
留意すべき点
大前提として「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は「南海トラフ地震臨時情報」と同様、不確実性の高い情報です。
対象地域では
「1週間程度、社会経済活動を維持しつつ、日頃からの備えを見直し、すぐに大津波からの避難ができる体制」を整えるようにせねばなりません。
しかしながら、日本海溝や千島海溝での巨大地震が、情報発表後1週間以内に「必ず」発生するとは言い切れないのです。
むしろ、1週間以内に発生しない確率のほうが高いです。
さらに、情報発表なしに、突然巨大地震が発生する可能性も大いにあります。
不確実性が高いのであれば、別に普段通りの生活で良くね?
このような疑問を持たれた方もいらっしゃると思うので、まずは「普段通りの生活」という言葉の定義を確認しましょう。
ここは日本――災害大国なので、普段から何かしら「災害への備え」をしていることは当然ですよね?
つまり「普段通りの生活」とは、何かしらの災害への備えをしている状態をいいます。
ただ、この情報が出された場合は、普段からの「災害への備え」の水準をさらに上げなければならないのです。
前述しましたが、具体的には、大津波からすぐに避難できる体制を整えておく必要があります。
したがって「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表された場合、対象地域では次のような行動を取りましょう。
- 普段からの備えはずっと続ける
- 加えて、大津波からすぐに避難できる体制を整える(1週間程度)
日本海溝・千島海溝で想定されている巨大地震
日本海溝・千島海溝沿いの地震について
前述した「北海道・三陸沖後発地震注意情報」にも関わってくることなので、日本海溝や千島海溝沿いで発生する巨大地震の想定について、お話しておきましょう。
日本海溝・千島海溝では、東北地方太平洋沖地震(*3)や明治三陸地震など、巨大地震が何度も発生しています。
▼過去のブログ:東北地方太平洋沖地震について
南海トラフと同様、日本海溝や千島海溝でも次の巨大地震がいつ発生してもおかしくないので、普段からの備えと後発地震注意情報のハイブリッドが重要であるということですね。
想定
日本政府の地震調査研究推進本部(地震本部)では、この地震の最大クラスの想定をしています。
日本海溝地震(M9.1)
M9.1は、南海トラフ地震の最悪クラスの想定と同じ数値であることに気づいた方も少なくないでしょう。
東北地方太平洋沖地震と同程度かそれ以上の規模です。
地震の揺れについては、
また、津波の高さ(満潮時)については
- 青森県
- 太平洋沿岸で10~20m程度
- 八戸市で高いところでは25m超
- 岩手県
- 10~20m程度
- 宮古市で高いところでは約30m
- 宮城県以南
- 宮城県や福島県などで場所によっては10m超
- 一部の地域を除き東北地方太平洋沖地震よりも低い
このように想定されています。
千島海溝地震(M9.3)
M9.3は、計算してみると、東北地方太平洋沖地震(M9.0)の約2.8倍の規模になります(*4)。
地震の揺れについては、
また、津波の高さ(満潮時)については
このように想定されています。
「想定」についての考え方
前述したのは、あくまで「最悪クラス」の「想定」です。
つまり、次に起こる巨大地震が必ずこの通りになるとは限らないわけです。
また、気象庁によれば、千年に一度あるいはそれよりもっと発生頻度の低い最大クラスのもの、ということです。
しかしながら、仮に想定どおりだったとしても、季節・発生時刻・風速など諸々の条件によって、被害の様相は異なります。
加えて、想定外の被害事象が出ることさえあります。
そのため、▼想定を過信しないこと、▼避難を諦めないこと、▼備えない自分を正当化させないことの3点は心がけてください。
これは余談ですが、YouTube上に投稿されているような地震のシミュレーションも、同様の考え方のもと視聴するように心がけるとよいでしょう。
巨大地震への「備え」何をやる?
日本海溝や千島海溝での巨大地震については、東日本大震災を経験している地域で発生することになります。
そのため、まずは「東日本大震災から得た教訓」を思い出してみてください。
もし「東日本大震災を経験していなくて、まったく備えをしていない」という人がいたら、下の画像を参考にしてみるとよいでしょう。
「防災」や「減災」というと難しそうに感じますが、目的意識のもと自分に出来そうなところから行動を起こすだけなのです。
たとえば
といった要領で進めればよいのです。
お金がかかるので少しハードルは上がるかもしれませんが、食料の備蓄や家具の固定なども同様に考えればできるはずです。
- ハザードマップの確認
- 避難に車を使うべきか判断
- 避難場所まで実際に移動する訓練をする
このあたりは普段の備えとして、必ず実行するようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
この3点について、理解することはできましたか?
ブログを読むだけでなく、1人でも多くの人が「備え」という行動に移していただけることを期待しています。
そして、家族や友人などで防災について知らない人がいたら、ぜひ教えてあげてください。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
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